9月5日 社会実装ロボット教育セミナー開催のお知らせ

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リーフレット_20130905


生活環境を豊かにするロボットの実用化には、社会に課題を求め、ロボットやシステムを社会で創り、育て、定着させる実証・評価のプロセス、すなわち「社会実装」が不可欠です。
 同時に、この「社会実装」は、学生と教員が、学生の主体的な学びを実現するためにも有効といえます。学生は、地域全体を学びのフィールドに、ときには壁にもぶつかりながら課題解決に取り組むことで、たくましいエンジニアに育つことが期待できるからです。
 本ワークショップでは、“て・あし・あたま”を総動員して考え実践する「知恵労働者」といえるエンジニアの育成を目指し、高専・大学における「社会実装ロボット教育」の取り組み例をもとに、新たな工学教育の方向性を議論していきます。


主催

高専発イノベーティブジャパン
http://www.innovative-kosen.jp

協賛

NEDO特別講座(ロボット技術経営)

日時

2013年9月5日(木)9:30~12:40

場所

首都大学東京・南大沢キャンパス・1号館X(1棟階段教室)

ご講演

開会挨拶

  • 古屋一仁  東京工業高等専門学校長、独立行政法人国立高等専門学校機構理事

①基調講演

  • ロボット開発の現状と教育の重要性 佐藤知正 東京工業高等専門学校特命教授、東京大学フューチャーセンター推進機構RTイノベーションコンソーシアム特任教授

②大学における新たな取り組み

  • 1.大学での取り組み 琴坂信哉 埼玉大学大学院理工学研究科人間支援・生産科学部門准教授
  • 2.大学での取り組み 富山 健 千葉工業大学工学部未来ロボティクス学科教授

③高専における新たな取り組み

  • 1.高専の取り組み    古屋一仁 東京工業高等専門学校長(事業推進代表者)、独立行政法人国立高等専門学校機構理事
  • 2.プロジェクトの趣旨説明  浅野敬一 東京工業高等専門学校教授(事業推進責任者)
  • 3.東京高専での取り組み   多羅尾進 東京工業高等専門学校機械工学科准教授
  • 4.一関高専での取り組み   藤原康宣 一関工業高等専門学校機械工学科准教授
  • 5.函館高専での取り組み   中村尚彦 函館工業高等専門学校生産システム工学科准教授

④ パネルディスカッション  テーマ「社会をフィールドとした工学教育への期待と実践」

  • 司会:有信睦弘 東京大学監事
    • パネリスト:
      • 剣持庸一  公益財団法人日本工学教育協会専務理事
      • 本目精吾  (株)エリオニクス代表取締役会長兼CEO, 八王子商工会議所副会頭
      • 富山 健  千葉工業大学工学部未来ロボティクス学科教授
      • 琴坂信哉  埼玉大学大学院理工学研究科人間支援・生産科学部門准教授

詳細


ロボット開発の現状と教育の重要性 佐藤知正 東京工業高等専門学校特命教授、東京大学フューチャーセンター推進機構RTイノベーションコンソーシアム特任教授


スライド1欧米でなく社会にお手本を求める時代、課題を社会に求め、社会での解決法を提案し、その科学技術を社会で育て定着させる人材が求められている。本講演では、そのために不可欠な、モノつくり、サービスつくり、シクミつくりの教育について述べる。




1.大学での取り組み 琴坂信哉 埼玉大学大学院理工学研究科人間支援・生産科学部門准教授


スライド1
 昨年より開始した技術シーズではなく,社会ニーズに基づく価値の創出ができる技術者の育成を目標にした社会実装プロジェクト型演習授業の試みついて紹介する.

 本講演では,まず,社会実装の視点を取り入れた演習授業の利点および従来型演習授業との違いを説明する.続いて,RTおよびIT技術を活用したサービス技術を社会に実装するプロセスを体験,学習することのできる社会実装コンテストを取り入れた工学部学生を対象とした演習授業の試みを紹介する.最後に,昨年の実施内容の反省に基づいた今年度の改良点について概説する




2.大学での取り組み 富山 健 千葉工業大学工学部未来ロボティクス学科教授


スライド1
RT産業活性化のため,大学における現場教育と実社会への橋渡しの採用を提案する.

RTを活用した産業が育たない,もしくは育てる人材が圧倒的に足りないという問題に対して,RT技術を使った活動で社会に役立つことの充実感を体験できる特徴を持った現場教育を通して学生に対する実社会への橋渡しを大学において採用することを提案する.また,それから派生した学生ベンチャー立ち上げ事例と,ベンチャー業界と協力しての活動を紹介する.


1.高専の取り組み    古屋一仁 東京工業高等専門学校長(事業推進代表者)、独立行政法人国立高等専門学校機構理事


スライド1これからの日本のものづくりを支える技術者、その育成そして高専がすべきと考えていることを述べる。

 ドラッカーは「生産性を向上させるものは知識である」を公理に据え、「今日求められているものは、知識の裏づけのもとに技能を習得しつづける者であるとし、技能の基盤として理論を使える者は無数に必要」と言った。そして「若者のなかでも最も有能な者、最も知的な資質に恵まれた者、最も聡明な者にこそ、知識に裏づけられた技能を使う能力をもってほしい」と呼びかけました(『断絶の時代』1969)。

 フリードマンは「これまでやってきたものづくりの内、新興国に移すべきものは移し、国内では新たな、より高度なものづくりを創り出すことで我が国の産業を再興・発展させていく必要がある。未だ見えていない高度なものづくりの創造に際限はない」と言います(『フラット化する世界』2006)。

 ジム・プラマー(スタンフォード大工学部長)は「起業したり、会社で新しい方向を考えたりできるように若い人を育てるのが大学の使命。伝統的な工学教育に替えて、私たちの生活にかかわる課題そのものを見つけるところから始めてビジネスにつなげる。単なる講義ではなく、グループでプロジェクトに取組み、コンペに参加したりする。そうした経験を積むことで、だれもが創造的になり得る。20世紀と違うエンジニアが求められています。環境や医療など、人々の関心の高い課題に創造的に挑むやり方を教える」と述べた(2013年8月朝日新聞記事)。

 今こそ技術者教育に力を入れるときです。学問のしっかりした基礎の上に、新たな技術や社会を創り出すイノベーティブな技術者に育てる必要があります。教育熱心な教員を擁する高専はこの教育に適する。ユーザーと価値共創したり、学生が主体的に学び、その面白さを体験し、生涯学び続ける力を獲得するような“仕掛け”、様々なコンテストがその代表、をこれまでに築き上げてきた。またそれをさらにパワーアップする“仕掛け”を現在構築中です。

 高専で構築している“仕掛け”をより有効なものにするために、本日は活発なご議論をお願いいたします。


http://robopedia.sakura.tv/robot_contents/solutions/education/教育手法/1407


2.プロジェクトの趣旨説明  浅野敬一 東京工業高等専門学校教授(事業推進責任者)


スライド1
イノベーション(社会変革)の実現に人材育成面から貢献することを目指し、新たなエンジニア教育を提案する。

社会の複雑化に伴い、技術の革新だけでなく、広い視野をもち新たな価値の創造と社会の望ましい変革に貢献できるエンジニアの育成が必要である。そのために、本プロジェクトでは、高専の資源を活かしながら、新たなエンジニア教育のプログラムを産業界をはじめとする社会全体とともに構築する。




3.東京高専での取り組み   多羅尾進 東京工業高等専門学校機械工学科准教授


スライド1社会実装プロジェクトとして,東京高専で進められている介護福祉関連機器などの開発に向けた取り組み事例について,これまでの経緯も含めて報告する.

今年度の取り組みテーマ
・要介護者用のベッド離床予測システム
・掃除ロボットを応用した見守りシステム
・電池を電源とした高齢者用小型電動式移動体
・高齢者見守りシステム
・ロボットおよびタブレット端末を用いた介護予防
・情報機器を用いた肢体不自由児のためのトレーニング支援アプリケーション




4.一関高専での取り組み   藤原康宣 一関工業高等専門学校機械工学科准教授


スライド1
少子化により子供の数は年々減少しているが,これに相反するように育児放棄等の件数は増加している.この問題に対して,育児による負担の軽減をロボットを活用し行うことを提案する.

子供が危ない場所・行って欲しくない場所へ向かうと保護者に知らせ,ロボットによりその進行を阻止するロボットシステムの開発を例に,子育てを支援するためのロボットシステムの提案と,それに要求される点・課題等を報告する.




5.函館高専での取り組み   中村尚彦 函館工業高等専門学校生産システム工学科准教授


スライド1高齢者のQOL向上を目的とし、本研究では動作による機器の制御を応用したシステムを提案する

本高専では、社会実装事業として「高齢者のための戸締りシステム」および「認知症予防システム」の2件に取り組んでいる。本発表では、この事業に現在取り組んでいる学生や昨年度取り組んでいた学生の取り組み姿勢や教育効果について紹介する。


パネルディスカッション  テーマ「社会をフィールドとした工学教育への期待と実践」 司会:有信睦弘 東京大学監事

スライド1
ロボットに代表される複雑なシステムを実現するためには、様々な技術が必要。現在の教育は個別の技術の深化に比重を置きすぎており、様々な技術を統合する方法論や訓練が不十分。ロボットをモチーフターゲットとした教育を系統的に行い、その成果評価ができるようになることが重要。


参加登録

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