完全自律型電動マルチロータヘリコプタ ― ミニサーベイヤーの性能と展望 ―(千葉大学 野波健蔵)

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概要

 近年,電動型マルチロータヘリコプタの研究開発やベンチャー企業によるビジネス展開が活発に行われている.この背景にはシングルロータヘリのメカニズムの複雑さに対して,マルチロータヘリはモータの回転数制御のみで飛行が可能なこと,さらに,小型の高出力モータや超小型軽量センサ,高性能プロセッサーが開発されマルチロータヘリの実用化に大きな貢献をしていることがある.こうした飛行ロボットは災害時の情報収集,犯罪捜査・救助・交通監視・コンビナート等の警備レスキュー活動,遺跡調査・植生生育・海洋汚染・火口付近などの科学的観測,トンネルや橋梁・ダム・高層ビル・送電線等の大型構造物点検,映画ロケやニュース報道等の空撮等多くの応用があり,今後広く普及することが期待されている.著者らも東日本大震災の巨大津波で被災した地域の被害状況を空撮調査した.さらに,昨年10月には約50機関からなる産学官のミニサーベイヤーコンソーシアムを設立してオールジャパン体制で早期の実用化を目指している.講演では著者らが開発した電動型マルチロータヘリコプタのミニサーベイヤーの技術や性能について詳細に紹介し,今後を展望する.



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