現場教育を通した実社会への 橋渡しカリキュラムの試行(千葉工業大学 富山 健)

社会実装研究(千葉工業大学 富山 健)

社会実装コンテスト教育(東京工業高等専門学校 浅野 敬一)

デンマークのロボット導入(デンマーク大使館 中島 健祐)

函館高専での取り組み(函館工業高等専門学校生産システム工学科准教授 中村 尚彦)

スライド1高齢者のQOL向上を目的とし、本研究では動作による機器の制御を応用したシステムを提案する。

本高専では、社会実装事業として「高齢者のための戸締りシステム」および「認知症予防システム」の2件に取り組んでいる。本発表では、この事業に現在取り組んでいる学生や昨年度取り組んでいた学生の取り組み姿勢や教育効果について紹介する。

育児による負担の軽減を目的とした「子育て支援ロボットシステム」の提案(一関工業高等専門学校機械工学科准教授 藤原 康宣)

スライド1少子化により子供の数は年々減少しているが,これに相反するように育児放棄等の件数は増加している.この問題に対して,育児による負担の軽減をロボットを活用し行うことを提案する.

子供が危ない場所・行って欲しくない場所へ向かうと保護者に知らせ,ロボットによりその進行を阻止するロボットシステムの開発を例に,子育てを支援するためのロボットシステムの提案と,それに要求される点・課題等を報告する.

KOSEN発”イノベーティブジャパン”プロジェクトの取り組み(東京工業高等専門学校 浅野 敬一)

スライド1イノベーション(社会変革)の実現に人材育成面から貢献することを目指し、新たなエンジニア教育を提案する。

社会の複雑化に伴い、技術の革新だけでなく、広い視野をもち新たな価値の創造と社会の望ましい変革に貢献できるエンジニアの育成が必要である。そのために、本プロジェクトでは、高専の資源を活かしながら、新たなエンジニア教育のプログラムを産業界をはじめとする社会全体とともに構築する。

これからの技術者育成と高専(東京工業高等専門学校長,独立行政法人国立高等専門学校機構理事 古屋一仁)

スライド1これからの日本のものづくりを支える技術者、その育成そして高専がすべきと考えていることを述べる。

 ドラッカーは「生産性を向上させるものは知識である」を公理に据え、「今日求められているものは、知識の裏づけのもとに技能を習得しつづける者であるとし、技能の基盤として理論を使える者は無数に必要」と言った。そして「若者のなかでも最も有能な者、最も知的な資質に恵まれた者、最も聡明な者にこそ、知識に裏づけられた技能を使う能力をもってほしい」と呼びかけました(『断絶の時代』1969)。

 フリードマンは「これまでやってきたものづくりの内、新興国に移すべきものは移し、国内では新たな、より高度なものづくりを創り出すことで我が国の産業を再興・発展させていく必要がある。未だ見えていない高度なものづくりの創造に際限はない」と言います(『フラット化する世界』2006)。

 ジム・プラマー(スタンフォード大工学部長)は「起業したり、会社で新しい方向を考えたりできるように若い人を育てるのが大学の使命。伝統的な工学教育に替えて、私たちの生活にかかわる課題そのものを見つけるところから始めてビジネスにつなげる。単なる講義ではなく、グループでプロジェクトに取組み、コンペに参加したりする。そうした経験を積むことで、だれもが創造的になり得る。20世紀と違うエンジニアが求められています。環境や医療など、人々の関心の高い課題に創造的に挑むやり方を教える」と述べた(2013年8月朝日新聞記事)。

 今こそ技術者教育に力を入れるときです。学問のしっかりした基礎の上に、新たな技術や社会を創り出すイノベーティブな技術者に育てる必要があります。教育熱心な教員を擁する高専はこの教育に適する。ユーザーと価値共創したり、学生が主体的に学び、その面白さを体験し、生涯学び続ける力を獲得するような“仕掛け”、様々なコンテストがその代表、をこれまでに築き上げてきた。またそれをさらにパワーアップする“仕掛け”を現在構築中です。

 高専で構築している“仕掛け”をより有効なものにするために、本日は活発なご議論をお願いいたします。

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